口腔ケアについて、少し述べたと思います。
お口の中の病気に関しては、大きく次の3つに分けられると思います。
むし歯
歯周病
入れ歯
どれを取り上げても、その予防に関して述べれば、
機械的な口腔清掃、いわゆる「ブラッシング」です。
薬などを使った清掃は2次的なケアと考えて下さい。
ケアで一番大切なことは、口の中を乾燥させない、ということです。
乾燥することによって、口の中のばい菌の繁殖がすすんで、
むし歯できたり、歯周病がひどくなったり、
また、口臭がひどくなったりします。
乾燥した粘膜を触ると、簡単に一層粘膜がはがれて、
出血したり、痛みが出たりします。
できるだけ、お水等で塗らした状態で、清掃しましょう。
介護をするにあたって、我々医療従事者や介護従事者、
そして家族においても、思い込みが多々あります。
歯科においてよくみられるのは、入れ歯の問題です。
入れ歯は物を噛むための道具です。
一般の方は入れ歯を入れておかなければならない、
と思い込んでいることです。
健常者の場合は、入れ歯が合わなかったり、痛かったりすれば、
歯医者に行って、その症状を述べて、
お互いに意思の疎通を図って、治療していけばいいんです。
それでも入れ歯はなかなか、特に初めて入れる人にとっては、
なかなかなじめるものではありません。
ましてや要介護者にとっては・・・。
中には、食事をするときに、わざわざ入れ歯をはずす人がいます。
そして食べ終わるとまた入れ歯を入れます。
それは入れ歯を入れることで、逆に物が噛めなかったり、
痛かったりするからです。
入れ歯が合ってないんです。
そんなときは、入れ歯をはずして食べてもらいましょう。
そういった方は、歯がすくなくても、あるいはなくても、
上手く噛む術を知っているんですから。
物をおいしく食べてもらうのが、一番なんです。
ただそれでは、食べ物の種類に制限がでてきます。
だから歯医者に入れ歯を調節してもらいながら、
だんだん使えるようにしていきましょう。
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